第86号(「荒井信一さんを偲ぶ会」のご案内)

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          同時代史学会電子メールニュース
                    第86号(2018年1月30日)
【「荒井信一さんを偲ぶ会」のご案内】
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※吉田裕理事よりご投稿をいただきましたので、ご紹介いたします。
(長谷川)
■「荒井信一さんを偲ぶ会」のご案内
 荒井信一さんが10月11日に胆管癌のため逝去されました。享年91歳8か月で
した。葬儀は、ご遺志により10月16日に家族葬で執り行われました。遺言によ
り、遺骨は春になって駿河湾と谷川岳に散骨されるそうです。
 荒井さんは今春まで週2、3回、5キロの散歩を欠かさないほどお元気でした
が、5月10日、黄疸の検査から胆管癌が見つかり入院となった時点で、すでに
末期だったそうです。7月にはご本人も遺言のメッセージ(「偲ぶ会」でご紹
介します)を作るほど深刻でしたが、8月になってやや安定し、9月には小康状
態となり、年を越せるかと思われましたが、10月に急変し、不帰の客となられ
ました。
 荒井さんは1926年2月4日、東京の小石川で生まれ、45年4月に東京帝国大学
文学部西洋史学科に入学してすぐに軍隊に召集され、野砲兵として茨城の大洗
海岸で?軍事訓練中に敗戦を迎えられました。戦後、大学に復学して49年3月に
卒業、複数の出版社で編集の仕事に就いた後、成蹊高校の教諭を経て、茨城大
学人文学部さらに駿河台大学現代文化学部の教授を歴任されました。
 荒井さんは戦後、いち早く現代世界史の探求に取り組まれ、『第二次世界大
戦—戦後世界史の起点』(1973)、『ゲルニカ物語—ピカソと現代史』
(1991)などを発表されました。特に戦争責任問題の観点から帝国主義・植民
地主義への考察を深められ、その一貫した姿勢は『戦争責任論—現代史からの
問い』(1995)、『空爆の歴史—終わらない大量虐殺』(2008)などの著作に
結実しています。
 荒井さんは歴史学研究会の編集長や委員長を務められ、同会編集の『太平洋
戦争史』『日本同時代史』などの企画・編集・執筆にあたるなど、歴史学界を
主導する立場を担ってこられました。また多くの研究者や市民運動家を結集し
て、民間の立場から戦争責任問題、戦後補償問題の解決を模索すると同時に、
日本と中国・韓国の研究者・教師・市民の間で、東アジアの歴史認識をめぐる
対話や歴史和解をめざして牽引車の役割を果たすなど、生涯にわたって市民運
動に携われました。
 交流の広かった荒井さんの生涯を、大勢の関係者とともに偲ぼうと、有志が
集まって事務局を組織し、このたび多くのよびかけ人・団体の賛同を得て、
「荒井信一さんを偲ぶ会」を企画いたしました。
 予約不要、自由参加といたしましたので、荒井さんを偲んで、ぜひ多くの皆
様がご出席くださいますよう、ご案内申し上げます。
                              2017年12月
「荒井信一さんを偲ぶ会」事務局:
   笠原十九司(代表) 伊香俊哉 戸邉秀明 波田永実 林博史 吉田裕
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荒井信一さんを偲ぶ会
【日時】2018年3月4日(日) 12:30開場 13:00開会 16:00閉会予定
【会場】一橋大学(国立)東キャンパス 東2号館 2階 2201教室
    http://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/kunitachi.html
    http://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/index.html
【資料代】 500円
【問い合わせ・連絡先】日本の戦争責任資料センター
jwrc★mua.biglobe.ne.jp
 *当日は平服でお越しください。
〈よびかけ人〉
石島紀之、伊集院立、井上久士、今井清一、内海愛子、木畑洋一、俵 義文、
中村平治、深澤安博、前田哲男、増谷英樹、松本 彰、油井大三郎
〈よびかけ団体〉
アクテヴィブ・ミュージアム女たちの戦争と平和資料館(wam)、「慰安婦」
問題の立法解決を求める会、岩波書店、韓国・朝鮮文化財返還問題連絡会議、
子どもと教科書全国ネット21、全国空襲被害者連絡協議会、戦後処理の立法を
求める法律家・有識者の会、「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・
センター(VAWW RAC)、東京歴史科学研究会、日本の過去の清算を求める国際
連帯協議会日本委員会、日本の戦争責任資料センター、法学館憲法研究所、歴
史科学協議会、歴史学研究会、歴史教育者協議会、「歴史認識と東アジアの平
和」フォーラム
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担当    長谷川 亮一
配信担当  岡本  公一
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※2018年1月31日配信