22
9月

投稿・寄稿における著作権処理に関するお願い

投稿・寄稿における著作権処理に関するお願い

同時代史学会代表

菊池信輝

近年、コンプライアンスや社会的倫理に対応する必要性がますます高まり、学会はむしろその先導役を果たしていく社会的使命を負っております。

当学会も2022年12月に「同時代史学会研究倫理憲章」を定め、ハラスメントや剽窃といった問題に対応するための体制を整えているところでありますが、その他明示規定を欠いたまま、運用に任されている部分が多数残っております。

特に、印刷物(『同時代史研究』)、電子配信(同時代史学会News Letter、メール・ニュース)については、問題が発生した際、随時理事会判断を仰ぎながら処理しているとは言うものの、明文化されていてしかるべき著作権処理についての規定が欠けている点は大きな問題です。

つきましては、この問題について、今年度総会までに明文規程作成の手続きを取り、改定案の総会での承認を目指しておりますが、それに先立ち、「代表からのお願い」ということで、下記についてご配慮いただきたく存じます。

各種投稿において、その文書内で使用される図版(写真、絵、記事の映し)についての著作権処理は、投稿者の責任において処理してください。

以上

25
8月

2024年度大会「空襲/空爆とその記憶の同時代史(仮)」

2024年度大会「空襲/空爆とその記憶の同時代史(仮)」

日時

2024年12月7日

会場

駒澤大学 駒沢キャンパス 3号館(東京都世田谷区駒沢1-23-1)

全体会 13:30~17:30

<報告者>

長志珠絵(神戸大学)

「防空と銃後」(仮)

千地健太(東京大空襲・戦災資料センター学芸員)

「東京大空襲における朝鮮人の空襲被害ー実態、証言、展示ー」

<コメント>

田中利幸(歴史家)

伊香俊哉(都留文科大学)

趣旨文

空襲/空爆とその記憶の同時代史(仮)

空爆による無差別大量虐殺は、第一次世界大戦から本格的に始まり、第二次世界大戦を経て、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、コソボ紛争、アフガン・イラク戦争、シリア内戦、そして現在もなお続くロシアのウクライナ攻撃やイスラエルのガザ地区攻撃に至るまで、およそ100年以上にわたって連続している。

 第一次世界大戦後に戦略爆撃を体系化したイタリアの将軍ジュリオ・ドゥーエは、空爆は「残虐な特性にもかかわらず流血が少ないので、高い立場から見れば従来の戦闘よりも人道的である」と述べて、無差別爆撃を正当化した。加害者研究においても、被害者との物理的・心理的距離は罪責感を麻痺させ、加害行為を容易にすることが指摘されているが、「高い立場」から爆撃を命令し、爆弾投下を可能にした20世紀以降の「空の戦争」は、爆撃の下で苦しむ無数の人々の視点を完全に欠落させることで行われてきた。1970年代以降の空襲記録運動とその継承活動は、爆撃を受ける側の「空襲」の視点に立ち、こうした「高い立場」から攻撃を加える「空爆」を批判的に捉え返す営為であり、現在進行中の空爆の下で起きている現実と、今後長期にわたって続く破壊的な影響を人類につきつけている。

 一方、これまでも度々指摘されてきたように、帝国主義の時代に誕生した飛行機が初めて戦争の兵器として利用されたのは、バルカン半島と北アフリカでの植民地戦争からであり、日本も1930年に植民地統治下の台湾で起きた霧社事件の際に、空爆による大規模な「鎮圧」作戦を行った。また、十五年戦争において日本は、アメリカによる無差別爆撃の被害を受ける前に、錦州や南京、重慶に無差別爆撃を行う加害国でもあった。さらに、連合国軍側の攻撃対象は、大日本帝国の植民地や東南アジア各地の日本軍の拠点、「満洲」の満鉄沿線の工場地帯に及んだ。それだけではなく、原爆が投下された広島・長崎と同様に、東京や大阪などの大都市には、戦時労働力として動員された植民地出身の人々が居住しており、多くの人々が空襲の被害を受けた。彼らの被害はこれまであまり語られてこなかったが、被害の実態調査や、「創氏改名」後の日本人名で慰霊碑に記録されてきた名前を本名に変更する取り組みなどが近年市民活動によって進められている。彼らがなぜそこにいたのかをふまえれば、「日本国民の被害」として均質化されがちな空襲経験を、植民地支配責任の観点から再度捉え直す必要があるだろう。

 以上をふまえて、一人目の報告者である長志珠絵氏には、戦時下の「防空」の動員・管理の対象であった女性や植民地出身者について報告していただく。また二人目の千地健太氏には、東京大空襲戦災資料センターにおける朝鮮人被害者に関する展示の経緯について報告していただく。両報告を通じて、空爆/空襲論においては、顔も名前もない集合的な死者として、あるいは「庶民」「民衆」「日本人」として括られがちであった空襲言説をジェンダーと植民地主義の観点から再考する場となるであろう。また、コメンテーターは伊香俊哉氏と田中利幸氏に依頼した。

空襲/空爆の問題は、現在の日本社会とも無縁ではない。日本政府は植民地戦争や植民地支配に起因する空襲の被害者、中国への侵略戦争の際に行った爆撃の被害者に対する謝罪や賠償を行っておらず、国内の空襲被害者についても、「戦争被害受忍論」を理由に補償を拒み続けている。また、朝鮮戦争・ベトナム戦争の際には、在日米軍基地は米軍機の出撃・補給基地として無差別爆撃に関わった。そして、現在進行中の空爆による無差別大量虐殺を止めることができていない。本シンポジウムが、20世紀初頭から現在まで続く、無差別大量虐殺とその不処罰の歴史に抗するための議論の場となることを期待したい。

<主要参考文献>

荒井信一『空爆の歴史―終わらない大量虐殺』岩波書店、2008年。

伊香俊哉『戦争はどう記憶されるのか 日中両国の共鳴と相剋』柏書房、2014年。

栗原俊雄『東京大空襲の戦後史』岩波書店、2022年。

長志珠絵「『防空』のジェンダー ―戦前戦後における日本の空襲言説の変容と布置」『ジェンダー史学』11号、2005年。

長志珠絵「交差する植民地主義とジェンダー ―歴史認識としての空襲」『日本思想史研究会会報』39号、2009年。

田中利幸『空の戦争史』講談社、2008年。

塚崎昌之『大阪空襲と朝鮮人そして強制連行』大阪空襲75年朝鮮人犠牲者追悼集会実行委員会、2022年。

林博史『朝鮮戦争 無差別爆撃の出撃基地・日本』高文研、2023年。

前田哲男『戦略爆撃の思想 ―ゲルニカ、重慶、広島』凱風社、2006年。

2
8月

同時代史学会2024年度大会 自由論題報告者の募集

 同時代史学会2024年度大会 自由論題報告者の募集

今年度の同時代史学会年次大会は、本年12月7日(土)、駒澤大学(東京都世田谷区)にて開催の予定です。つきましては、当日午前中に実施される自由論題報告の報告者を募集します。日頃の研鑽を発表し合い、議論を交わせる貴重な機会です。会員の皆様には、ぜひ奮ってご応募くださいますよう、お願い申し上げます。

なお、機材や運営上の観点から、本年度の自由論題については原則、対面開催となります。この点、ご承知おきください。

1.日時:2024年12月7日(土) 午前10時開始(最大13時20分終了予定)

  *御一人の持ち時間は報告40分+討論20分=計1時間を想定してください。

2.場所:駒澤大学 駒沢キャンパス 3号館

*アクセス:https://www.komazawa-u.ac.jp/access/

*キャンパスマップ: https://www.komazawa-u.ac.jp/facilities/campus/komazawa.html

3.開催形態:対面開催

4.論題:日本を中心とする第二次世界大戦期以降の歴史を主な対象とする歴史的研究全般

5.エントリー資格:同時代史学会会員であること

  *非会員で応募される方は、エントリーと同時に入会手続きをお済ませください。

   参照・本会HP「入会のご案内」: http://www.doujidaishi.org/about/admission.html

  *当日、PCを利用される方は、御自身で持ち込みを御願いします(Mac使用の場合はアダプタも含む)。

6.エントリー方法:以下の項目を、電子メールか郵送で、下記9までお知らせください。

① 報告者氏名、及び現在の所属

② 報告タイトル

③ 報告要旨(400字以内)

7.採否:理事会で審査の上、9月末日までに応募者本人に直接採否を通知します。

8.締切:2024年8月31日(土)必着

9.応募及び問い合わせ先:戸邉秀明(自由論題担当理事・東京経済大学教員)

E-mail:tobe ★ tku.ac.jp

  〒185-8502 東京都国分寺市南町1-7-34 東京経済大学 戸邉秀明 宛

*郵送の場合、封筒に「同時代史学会自由論題応募」と書き添えてください。

以上

28
6月

2024年度「NHK アーカイブス学術利用」公募開始

★2024年度「NHK アーカイブス学術利用」公募開始
NHKでは、アーカイブス保存の映像・音声を学術研究に利用していただく研究を募集しています。
採択研究者は、東京・NHK 放送博物館、埼玉県川口・NHK アーカイブス、大阪放送局の閲覧室で
希望のコンテンツを閲覧することが出来ます。
○2024年度閲覧期間 2024年10月~2025年3月 (1組30日まで利用可)
○対象者 大学、高等専門学校、公的研究所所属の職員・研究者、大学院生
○締め切り 2024年8月16日
○募集数 放送博物館 6 組、NHK アーカイブス 4 組、大阪放送局 2 組
応募要項はホームページをご覧ください。
http://www.nhk.or.jp/archives/academic/

11
6月

【告知】『同時代史研究』第18号の投稿原稿の募集について

【告知】『同時代史研究』第18号の投稿原稿の募集について
同時代史学会編集委員会

『同時代史研究』第18号(2025年9月刊予定)の投稿原稿を募集いたします。奮ってご投稿くださいますよう、お願い申し上げます。

投稿規定、審査規定、執筆要領については、同時代史学会のホームページをご覧ください。
http://www.doujidaishi.org/journal/journal_rules.html

スケジュール・投稿手続きは下記のとおりです。
2024年7月31日(水)投稿原稿のエントリー締め切り
・投稿をご希望される方は、電子メールで編集委員会宛に、名前・所属・原稿種別・題名をご連絡ください。
アドレス:journal●doujidaishi.org (「●」を「@」にかえて下さい)
・投稿原稿を提出する段階で、題名を若干修正することは認められます。
・1週間以内に返信いたしますので、万が一到着しない場合には、必ずお問い合わせください。
・会員以外の方は投稿できませんので、ご注意ください。
 なお、入会手続きはこちらをご覧ください。
http://www.doujidaishi.org/about/admission.html

2024年10月20日(日)投稿原稿・要旨提出の締め切り
・原稿と要旨(800字程度)を、1部ずつ提出してください。
・送付先は以下の通りです。封筒表紙に「同時代史学会学会誌原稿在中」と朱書きして下さい。当日の消印まで有効です。
〒464-8601 名古屋市千種区不老町 名古屋大学大学院人文学研究科 河西秀哉

・あわせて締め切りまでに、原稿・要旨[原則として Word(.docx あるいは.doc)]を、編集委員会宛に電子メール添付にてご送付ください。
・原則として投稿後3ヶ月以内に審査結果をお伝えします。掲載決定後は掲載決定証明書を発行できますので、ご相談ください。
・お送りいただいた原稿・電子ファイルは、厳重に管理し、査読後はこちらで破棄いたします。
・エントリー後に投稿を辞退される場合も、ご連絡をお願いします。

2025年1月 審査結果通知(予定)
2025年9月 刊行(予定)

投稿について、ご不明の点やご相談などがありましたら、電子メールで編集委員会(下記アドレス)へ問い合わせください。
同時代史学会編集委員会  journal●doujidaishi.org (「●」を「@」にかえて下さい)

10
6月

同時代史学会第52回定例研究会(院生・若手研究者修士論文報告会)

同時代史学会第52回定例研究会

院生・若手研究者修士論文報告会

June 08, 2024

同時代史学会代表/研究会委員

菊池 信輝(BXC02031 ★ nifty.com)

下記の要領にて同時代史学会第52回定例研究会を行いますので、よろしくご参加ください。

1.会場

法政大学市ヶ谷キャンパス富士見ゲート G601教室

https://www.hosei.ac.jp/ichigaya/access/?auth=9abbb458a78210eb174f4bdd385bcf54

2.スケジュールと報告タイトル

日時

・2024年7月6日(土)、13:00〜16:30(一人1時間30分)

内容

・若手研究者報告会(主に修士論文報告会として毎年開催)

報告者及び報告タイトル

 佐々木二葉氏(日本語教員)

「近代日本映画における検閲―女性の喫煙表 象をめぐって」

(13時00分~14時30分)

宮里崇生氏(日本大学大学院文学研究科教育学専攻博士後期課程2年)

「修士論文『志喜屋孝信の教育思想形成と沖縄教育—占領初期沖縄教育の基盤の形成過程に着目して—』再考」

(14時40分~16時10分)

スケジュール 

・佐々木報告

報告:13時00分~13時50分(50分)

質問の整理:13時50分~13時55分(5分)

質疑応答:13時55分~14時30時(35分)

・宮里報告

報告:14時40分~15時30分(50分)

質問の整理:15時30分~15時35分(5分)

質疑応答:15時35分~16時10分(35分)

*最大延長、17時まで

その他

・参加費:無料

*会員以外にもお声がけください。

8
3月

同時代史学会・第37回関西研究会のお知らせ

みなさま

平素は本会の活動をご支援いただき、ありがとうございます。
下記のように、第37回研究会を開催します。ふるってご参加ください。

同時代史学会・第37回関西研究会
〈報告者〉
小谷七生氏(神戸市外国語大学)「占領後期の日本における「屑拾い」の社会的位置に関する一考察:獅子文六『自由学校』(1950)に関連するメディア表象を手がかりにして」
日時:2024年3月29日(金)14:00~17:00
場所:キャンパスプラザ京都6階第7講習室(JR京都駅徒歩5分)
   https://www.consortium.or.jp/about-cp-kyoto/access

本研究会はハイブリッドでの開催です。
対面での参加の方は直接お越しください。

オンラインでの参加の方は下記まで登録ください。

登録:https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZEkcO6qqzsvEtCElf370gFyyPaVY1Nmrv3i
 
 登録後、研究会参加に関する情報の確認メールが届きます。
 参加希望の方は前日の3月28日(木)までに申込みください!
 参加費:無料(会員外の方にもお声をおかけ下さい)

配信担当:河西秀哉

2
12月

同時代史学会2023年度大会 オンライン参加登録について(12月7日締切)

今年度の同時代史学会大会は、午後の全体会、および総会のみ、ハイブリッド開催します。

自由論題報告については、オンライン配信は行いませんのでご了承下さい。

オンラインから参加される方は、12月7日(木)までに、下記のフォームから登録して下さい。(メールニュースでご案内した申込締切を延長します)

※会場においでになる方は、登録は不要です。

 ZOOMのIDは、大会・総会の当日までに、【同時代史学会2023年大会(gakkaitaikai+2023doujidaishi ★ gmail.com)】よりお送りします。

※オンラインでの大会への参加は、同時代史学会会員、および会員の紹介がある方に限定します。

※オンラインでの総会への参加は、同時代史学会会員に限定します。

【大会参加登録フォーム】

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf2BCI67WAEZpObHdLvaOOs8G2oQ3K109tqzOfv5b6tlCMegA/viewform?usp=sf_link

28
11月

2023年度大会「安定化させる力学とかき消されていく声――1973年以降の水俣から考える」

同時代史学会2023年度大会を、下記のスケジュール・テーマで開催します。

日時 2023年12月9日(土)
会場 東京経済大学国分寺キャンパス2号館(東京都国分寺市南町1-7-34)
(総会と全体会はハイブリッド開催、オンライン参加の場合は事前申し込みが必要です)

会場校へのアクセスの基本は国分寺駅南口より徒歩(所要12分)となります。
徒歩の道順、並びにバスのご利用の仕方については、以下の東京経済大学のHPを参照してください。
アクセス https://www.tku.ac.jp/access/kokubunji/
キャンパスマップ:https://www.tku.ac.jp/campus/institution/kokubunji/

タクシーをご利用の場合は、東京経済大学の「東北門」へお回りください。なお、タクシーの構内(会場建物まで)への乗り入れはできません。

参加費 無料
日程
10:00~12:00 自由論題報告(対面のみ)
12:40~13:10 総会 (オンラインによる中継を予定)
13:30~17:40 全体会(オンラインによる中継を予定)
「安定化させる力学とかき消されていく声―1973年以降の水俣から考える―」
井上ゆかり( 熊本学園大学水俣学研究センター 研究員 )
原子栄一郎( 東京学芸大学環境教育研究センター 教員 )
遠藤邦夫 ( 水俣病センター相思社 元職員 )
18:00~   懇親会

※昼食をご持参ください。
当日は土曜日のため学内食堂(生協)は閉まっており、また大学の周囲には食堂がありません。昼食については、少し歩いたところにあるコンビニでご購入いただくか、事前にご用意いただくように御願いします。もちろん、国分寺の駅前まで戻られると、食べる場所には困りません。

24
11月

第36回関西研究会のお知らせ

みなさま

平素は本会の活動をご支援いただき、ありがとうございます。
下記のように、第36回研究会を開催します。ふるってご参加ください。

同時代史学会・第36回関西研究会
〈報告者〉
瀬畑源氏(龍谷大学法学部准教授)「戦後巡幸と保守政治―1949~51年」(仮)
 参考文献:瀬畑源「象徴天皇制における行幸―昭和天皇「戦後巡幸」論」(河西秀哉編『戦後史のなかの象徴天皇制』吉田書店、2013年)
      河西秀哉『天皇制と民主主義の昭和史』人文書院、2018年
日時:2023年12月17日(日)14:00~17:00
場所:キャンパスプラザ京都6階第7講習室(JR京都駅徒歩5分)
   https://www.consortium.or.jp/about-cp-kyoto/access

本研究会はハイブリッドでの開催です。
対面での参加の方は直接お越しください。

オンラインでの参加の方は下記まで登録ください。

登録:https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZYlfu2orT0qGtw6rHcofYTdFhOjny2qlWp7
 

 登録後、研究会参加に関する情報の確認メールが届きます。
 参加希望の方は前日の12月16日(土)までに申込みください!
 参加費:無料(会員外の方にもお声をおかけ下さい)

配信担当:河西秀哉