日本オーラル・ヒストリー学会シンポジウムのご案内(更新)

日本オーラルヒストリー学会シンポジウム

戦争体験に関わる「二次証言」の可能性

   -福井県の歩兵第三六聯隊に所属した一農民の体験を事例に考える-

(共催:歴史学研究会現代史部会、同時代史学会)

◆企画の趣旨

日本オーラルヒストリー学会では、このたび戦争体験に関わる「二次証言」の可能性をめぐるシンポジウムを企画しました。

その趣旨は、タイトルに明記してありますように、戦争体験に関する「二次証言」の可能性を考えたい、というところにあります。ただし、ここでいう「二次証言」という表現は、当事者ではない人が当事者から聞いたことを伝える証言という意味で、あくまで仮称として用いるものであり、証言としての価値の軽重を意識して用いるものではありません。戦争体験者(特に出征経験者)が自らの体験を直接語ることが次第に困難になりつつある昨今、その近親者などによる戦争体験を語り継ぐ活動が注目されつつあります。そのような活動の意義と可能性について、基調講演とシンポジウム形式の討論という二部構成の企画で考えたいというものです。

具体的には、福井県の鯖江に衛戍していた歩兵第三六聯隊に所属して、中国に出征した山本武さん(1913~1984)の戦争体験を取り上げます。山本武さんの戦争体験と、武さんが書き残された陣中日記と回顧録は、吉見義明さんのご著作『草の根のファシズム』(東京大学出版会、1985年)や、2000年に放映されたNHKの番組「ETV2000 シリーズ太平洋戦争と日本人 第5回 一兵士の従軍日記 -祖父の戦争を知る-」で取り上げられました。そして現在は、武さんのご子息である山本富士夫さんと山本敏雄さんによって、武さんの体験を語り継ぐ活動がなされています。

今回のシンポジウムでは、山本富士夫さんと敏雄さんをお招きして、実際に武さんの戦争体験を語り継ぐ基調講演をしていただきます。そして、その語り継ぐ活動の意義と可能性について、現代史やオーラルヒストリーに詳しい研究者(吉見義明さん、中村江里さん)にコメントしていただき、さらに企画担当者である能川泰治委員からのコメントも加え、全体討論を通じて理解を深めていきたいと思います。どうぞ奮ってご参加ください。

日時     2021年6月27日(日)13時00分~17時00分

【注記】

参加希望者の方には事前登録をしていただきますので、下記のURLにアクセスして、申し込み用フォーム(日本オーラル・ヒストリー学会のホームページにも掲載しています)に必要事項をご入力くださいますようにお願いいたします。前日の626日(土)にレジュメ等をメールで送信いたします(当日配信になる場合もございます。)ので、申し込み手続きは625日(金)の17時までに完了してくださいますようにお願いいたします。

参加申し込み用URL

https://us06web.zoom.us/meeting/register/tZMpfuuqqDwsHtSCGjQtjFiVJYTzmgfUdepd

問い合わせ先

  日本オーラル・ヒストリー学会研究活動委員・能川泰治 (ysnogawa ★ staff.kanazawa-u.ac.jp)