2022年12月8日施行
(目的)
第1条 この規程は、同時代史学会倫理憲章(以下「倫理憲章」という。)に基づき、倫理憲章に違反した事案のうち、研究不正についての取り扱いを定めるものである。
(調査委員会の設置)
第2条 理事会は、同時代史学会会則第10条及び倫理憲章に従い、同時代史学会倫理委員会(以下「倫理委員会」という。)の報告に基づき、同時代史学会研究不正調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設置する。
(調査委員会の組織)
第3条 調査委員会は、委員長を含む委員5人をもって組織する。
2 委員長は、委員の互選により選任する。
3 委員は、理事のうち、当該事案につき直接的な利害関係を有しないと認められる者の中から、理事会が選任する。
(調査委員会の職務)
第4条 調査委員会は、研究不正の調査に関する事項を行う。
(告発等の受付)
第5条 何人も、研究不正の疑いがあると思料する者は、書面、電子メール又は面談により、倫理委員会に常設された窓口(以下「窓口」という。)に対して告発を行うことができる。
2 告発は、原則として顕名により、研究不正を行った疑いがある研究者等又は研究グループ等の氏名又は名称、研究不正の態様、その他事案の内容が明示され、かつ、不正とする合理的理由が示されていなければならない。
3 報道機関、研究者コミュニティ又はインターネット等により、研究不正の疑いが指摘された場合、告発に準じて取り扱うことができる。
4 何人も、研究不正の疑いがあると思料する者は、告発の是非、手続きその他の事項について窓口に対して相談をすることができる。
(悪意に基づく告発)
第6条 何人も、専ら被告発者に不利益を与えること、又は被告発者が所属する組織等に不利益を与えることを目的とした告発(以下「悪意に基づく告発」という。)を行ってはならない。
2 理事会は、悪意に基づく告発の認定があった場合、当該告発者の氏名の公表、除名処分、刑事告発その他必要な措置を講ずることができる。
(秘密保持義務)
第7条 この規程に定める業務に携わる者は、その職務上知り得た情報を漏らしてはならない。その職務を退いた後も、同様とする。
(告発者の保護)
第8条 理事会は、悪意に基づく告発であることが明らかでない限り、告発したことを理由として、当該告発者に対して不利益な措置等を行ってはならない。
(被告発者の保護)
第9条 理事会は、正当な理由なしに、告発があったことのみを理由として、当該被告発者に対して不利益な措置等を行ってはならない。
(調査の通知)
第10条 倫理委員会は、調査実施の決定並びに調査委員会委員の氏名及び所属を告発者及び被告発者に通知する。
2 前項の通知を受けた告発者又は被告発者は、当該通知を受けた日から起算して7日以内に、倫理委員会に対して調査委員会委員に関する異議を申し立てることができる。
3 倫理委員会は、前項に基づく不服申立てに理由があると認めるときは、直ちに理事会に報告する。
4 理事会は、当該異議申し立てに係る調査委員会委員を交代させるとともに、倫理委員会を通じて、告発者及び被告発者に通知する。
(調査の実施)
第11条 調査委員会は、調査の実施の決定を行ったとき、速やかに調査を開始する。
2 調査委員会は、告発において指摘された当該研究に係る論文、著書、その他の出版物における記述内容、並びに研究会・研究大会における報告内容及び資料等を精査し、又は関係者のヒアリング等の方法により、調査を行う。
3 調査委員会は、被告発者に弁明の機会を与えなければならない。
(調査の対象)
第12条 調査の対象は、告発された事案に係る研究活動の他、調査委員会の判断により、調査に関連した被告発者の他の研究を含めることができる。
(調査における義務)
第13条 調査委員会は、調査に当たって、調査対象における公表前の研究等が、調査の遂行上必要な範囲外に漏洩することのないよう、十分配慮する。
2 告発者、被告発者及びその他当該告発に係る事案に関係する者は、調査が円滑に実施できるよう積極的に協力し、真実を忠実に述べるなど、調査委員会の調査に誠実に協力しなければならない。
(認定の手続)
第14条 調査委員会は、調査を開始した日から起算して180日以内に調査した内容をまと め、研究不正が行われたか否か、その他必要な事項を認定する。
2 調査委員会は、調査を通じて告発が悪意に基づくものであると判断したときは、併せて、その認定を行うものとする。
3 前項の認定を行うに当たっては、告発者に弁明の機会を与えなければならない。
4 調査委員会は、認定を終了したときは、直ちに理事会及び倫理委員会に報告する。
5 倫理委員会は、速やかに、調査の結果を告発者及び被告発者に通知する。
6 やむをえず調査期間を延長せざるを得ないときは、理事会の許可を得て調査期間を延長することができる。ただし、その場合は、遅れる理由及び調査結果を報告する期限を、告発者、被告発者に通知しなければならない。
(不服申立て)
第15条 被告発者は、研究不正が認定された場合、通知を受けた日から起算して14日以内に、倫理委員会に対して不服申立てをすることができる。ただし、同一理由による不服申立てを繰り返すことはできない。
2 告発者は、悪意に基づく告発が認定された場合、前項の例により、不服申立てをすることができる。
3 不服申立ての審査は、調査委員会が行う。
(再調査)
第16条 調査委員会は、前条に基づく不服申立てに理由があると認めるときは、再調査を行う。
2 調査委員会は、不服申立人に対し、調査の結果を覆すに足るものと不服申立人が思慮する資料の提出を求め、その他当該事案の速やかな解決に向けて、再調査に協力することを求めるものとする。
3 調査委員会は、再調査を開始した日から起算して60日以内に、調査の結果を覆すか否かを決定し、直ちに理事会及び倫理委員会に報告する。
4 倫理委員会は、速やかに、再調査の結果を告発者及び被告発者に通知する。
5 やむをえず調査期間を延長せざるを得ないときは、理事会の許可を得て調査期間を延長することができる。ただし、その場合は、遅れる理由及び調査結果を報告する期限を、告発者、被告発者に通知しなければならない。
(措置の勧告)
第17条 調査委員会は、研究不正が行われていたことを認定した場合、その程度に応じて、理事会に対し、必要な措置を勧告する。
2 調査委員会は、研究不正が行われていなかったことを認定した場合、理事会に対し、被告発者の名誉を回復する措置及び不利益が生じないための措置を勧告する。
(施行期日)
第1条 この規程は、2022年12月8日から施行する。
(改正)
第2条 この規程の変更は、同時代史学会理事会の議を経ることを要する。