24
11月

第159号【同時代史学会2023年度大会 オンライン参加登録(12月3日締切)】

===================================

          同時代史学会電子メールニュース

                    第159号(2023年11月24日)

【同時代史学会2023年度大会 オンライン参加登録(12月3日締切)】
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
同時代史学会2023年度大会 オンライン参加登録(12月3日締切)

今年度の同時代史学会大会を、12月9日(土)に開催します。午後の全体会、
および総会のみ、ハイブリッド開催とします。
なお、自由論題報告については、オンライン配信は行いませんのでご了承下さ
い。
オンラインから参加される方は、12月3日(日)までに、下記のフォームから
登録して下さい。
※会場においでになる方は、登録は不要です。

 ZOOMのIDは、大会・総会の当日までに、
【同時代史学会2023年大会 】
よりお送りします。

総会     12:40~13:10
全体会    13:30~17:40


※大会への参加は、同時代史学会会員、および会員の紹介がある方に限定しま
す。
※総会への参加は、同時代史学会会員に限定します。


【大会参加登録フォーム】
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf2BCI67WAEZpObHdLvaOOs8G2oQ3K109tqzOfv5b6tlCMegA/viewform?usp=sf_link
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

◆このメールマガジンは、同時代史学会会員の相互連絡を目的として、会員の
 みに送信されるものです。なお、メールアドレスは同時代史学会会員名簿に
 記載されたものを利用しています。ご了承下さい。

◆バックナンバーは http://www.doujidaishi.org/doujidaishi-mailnews/
 に転載されます。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
16
10月

第157号【同時代史学会2023年度大会(趣旨文・全体会報告要旨)】

===================================

          同時代史学会電子メールニュース

                    第157号(2023年10月16日)

【同時代史学会2023年度大会(趣旨文・全体会報告要旨)】
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
2023年度大会の趣旨文・全体会報告要旨をお伝えします。

12月9日(土)
会場:東京経済大学

10:00~12:00 自由論題報告(対面のみ)
12:40~13:10 総会(オンラインによる中継を予定)
13:30~17:40 全体会(オンラインによる中継を予定)
「安定化させる力学とかき消されていく声―1973年以降の水俣から考える―」
    井上ゆかり(熊本学園大学水俣学研究センター 研究員)
    原子栄一郎(東京学芸大学環境教育研究センター 教員)
    遠藤邦夫(水俣病センター相思社 元職員)
18:00~   懇親会

【趣旨文】
 本年度は1973年に水俣病第1次訴訟の熊本地裁判決が出て50年の節目にあた
る。そこで、同時代史学会では、「安定化させる力学とかき消されていく声ー
1973年以降の水俣から考えるー」と題して大会企画を組んだ。
 2002年に設立された同時代史学会では、すでに2008年に「消費からみる同時
代史」と題して、高度経済成長期の消費生活と公害問題のあり方について論じ
た。また、本年度5月に開催された歴史学研究会の現代史部会では、「社会運
動と環境・民主主義― 新自由主義時代の民衆像を求めて―」と題する企画が
組まれている。他方、1990年代から活動を続けている水俣フォーラムがこの秋
「水俣・福岡展2023」を開催したほか、今月は2013年に発足した「公害資料館
ネットワーク」のシンポジウムも予定されている。
 これらをふまえ、本企画では熊本地裁判決後の「水俣」について、被害者や
その家族のその後の「生」のリアルや地域社会の実像をていねいに拾いなが
ら、「かき消されていく声」を考察したいと考えた。その含意は以下の通りで
ある。
 ある段階で社会的に喚起されたり再喚起されたりする問題は、そのつど「安
定化」させる力学にさらされ、さまざまな現場の「声」がかき消されていく。
今日の原発問題をはじめ、戦争や震災からの「復興」といった過程にも、同様
の現象が見られるだろう。この「安定化」に関わる動きは多元的で複合的であ
る。加害企業や行政による動きもあれば、メディアや一般的な世論の動きもあ
る。地域社会内部でのさまざまな人間関係によってもそれはもたらされるだろ
う。大量消費社会や新自由主義によって痩せ細っていく公共圏の問題もある。
アカデミズムや教育現場の関与も否定できない。
 1950年代に「奇病」として顕在化した水俣病は、1959年に新日本窒素肥料株
式会社(以下チッソ)の工場排水による有機水銀中毒であることが熊本大学医
学部の研究班によって特定されたが、行政やチッソの妨害などから被害者の訴
えは封印された。1960年代後半に全国的に反公害の機運が高まるなか、1973年
の熊本地裁判決によりチッソの加害責任が確定するが、それ以後も、補償協定
をめぐる直接交渉が行われたほか、環境庁(当時)の定めた認定基準をめぐる
未認定患者の問題は現在も係争中である(9月27日 大阪地裁判決)。その
間、「水俣病関西訴訟」で国や県の行政責任が問われるなか(2013年10月15日
最高裁判決)、国家による「和解」や「救済」にむけた取り組みがある一方
で、水俣では市民同士の分断を修復する「もやい直し」の試みが1990年代以降
取り組まれてきた。
 そうしたなかで水俣のローカルな現状は、ともすると美化され神話化され
る。その傾向は、アカデミズムの良心的な研究活動にも内在しうるし、「水俣
を教える」という場面においても、無視できない傾向としてあるだろう。過去
の問題を現在の問題に直結させて考える「非歴史的思考」の陥穽もある。リア
ルな(そして歴史的な)「人間」の存在がともすれば軽視されるこれらの傾向
に対して、私たちはまず、生身で等身大の「水俣」が1973年以降も存在すると
いう当たり前の事実を再確認したいと思う。そこには、被害者同士の軋轢や葛
藤も当然含まれよう。そうしたローカルな視点を見失うことで、「安定化」さ
せる力学に対して私たちは無防備となる。今回の大会では、被害者や地域社会
の実像を美化することなく提示し、「かき消される声」や「安定化する力学」
の具体像を1973~1990年代を軸に検討したいと思う。
 そこでまず井上ゆかり氏には、「一次訴訟判決後から現在までの水俣病被害
当事者の『かき消されゆく声』」と題して、1973年以降の「かき消されていく
声」の実状を、女島の漁民やチッソ労働者の視点、また現在の胎児性世代の訴
訟や認定されない被害当事者の状況などを中心に紹介していただく。これまで
多くの患者さんに接してこられ、「人間の営みを中心とした理論形成」を志し
てこられた井上氏に、さまざまな立場をふまえた生のリアルを見据え、「安定
化」させる力学にさらされた現場の視点から問題提起していただく。
 また、原子栄一郎氏には、「水俣病を環境教育として取り上げることにおい
て、緒方正人さんを考材とすることによって何がもたらされるか? 私の大学
環境教育実践から」と題して、ご自身が経験された研究上の転回をふまえ、
「チッソは私だ」という緒方正人さんの「魂」の視点から論じてもらう。緒方
さんの視点は、加害企業や行政を免罪しかねない危険性があるものの、その視
点を抜きにした社会批判もまた表面的なものになりかねない。水俣病事件を環
境教育として取り上げるさい、その視点をいかに活かしたらよいか。ご提案い
ただければと思う。
 これら2つの報告をふまえ、患者支援団体である水俣病センター相思社の元
職員・遠藤邦夫氏には、本企画担当者である及川英二郎との「対談」を通し
て、主に「もやい直し」に至る経緯やその歴史的意義について、「集合的トラ
ウマ」の両義的側面などに着目しながら論じていただく。活動家として、また
支援者として関わってこられたご経験をふまえ、社会運動のあり方やその限界
について論点を提示していただければと思う。
 「安定化」させる力学がいまもなお作動ししつづけるなか、水俣が発信する
問いは何か、それはどのようにして受け止められるべきか。「水俣」を論ずる
さい、「公害」一般のなかでそれを普遍的に思考する視点とともに、その固有
性を注視し、個々の「人間」に立脚点を見出しながら、「公害」だけではない
他の諸問題とリンクさせて思考する視点が同時に求められよう。これら2つの
視点は、せめぎ合い、かつ共存することで、より生産的な知見が得られるはず
である。フロアからの積極的な参加を期待したい。

報告1:井上ゆかり(熊本学園大学水俣学研究センター)
「一次訴訟判決後から現在までの水俣病被害当事者の『かき消されゆく声』」
 1973年の水俣病第一次訴訟判決から今年50年を迎えた。この判決では加害責
任と一時金の賠償命令のみであったため、患者がチッソと直接交渉し現在の補
償協定内容になった。翌年には認定申請患者協議会が結成され、いわゆる未認
定患者総申請運動が始まり、係争課題は加害責任追及から水俣病かどうかに変
わっていった。こうしたなかで幾度も被害当事者は声を上げ続け勝訴し、結果
として国は1996年の水俣病総合対策医療事業から2005年、2009年と3度「チッ
ソとの紛争状態の終結」として「行政責任は今後追及しない」ことを条件に和
解施策をとってきた。しかし、この和解は必ずしも被害当事者側が望んだ形で
はなかった。
 2023年9月27日に水俣病不知火患者会近畿訴訟大阪地裁判決で原告全員を水
俣病と認める司法判断が下された。同訴訟の熊本や東京での判決も控え、さら
には第二世代訴訟、また新潟の二次訴訟も続いている。事態が長期化するの
は、 訴訟で原告が勝訴すれば潜在していた被害当事者が新たな認定申請者と
して増加するという状況が50年も続き、その反面、地元ではこれまでの和解が
「水俣病ではないのに一時金を貰っている」という地域内での差別を生み出
し、申請が抑制されていたからにほかならない。
 一方、水俣市議会の議会運営委員会は2019年に水俣病問題を審議する「公害
環境対策特別委員会」の名称から「公害」を外す議案を可決し、2023年百間排
水口の樋門撤去工事が突如発覚し被害者団体の抗議行動が起こった。水俣市長
は「ここまで注目されるという認識はなかった。」と地元新聞の取材に答えて
いる。 権力が公害への強い圧力を示す水俣において、被害当事者が声を上げ
続けることは、その声をかき消そうとする圧力との闘いでもあった。一次訴訟
原告は「人間としての復権」、いまの第二世代訴訟原告は「胎児性世代、不知
火海沿岸住民を代表する闘い」だと表現する。
 この報告では、故原田正純らと地域に入り調査研究をすすめてきた経験を踏
まえ、漁民やチッソ労働者らの現状と「かき消す」力とは何か、さらに研究者
としての中立とは何か考えてみたい。
参考:井上ゆかり『生き続ける水俣病:漁村の社会学・医学的実証研究』(藤
原書店、2020年)

報告2 原子栄一郎(東京学芸大学環境教育研究センター)
「水俣病を環境教育として取り上げることにおいて、緒方正人さんを考材とす
 ることによって何がもたらされるか? 私の大学環境教育実践から」
 現代環境教育の世界標準は、ESD(持続可能な開発のための教育)である。
その根本課題は、「持続不可能な社会を支えている教育を考え直し、その向き
を変えること」である。環境教育を担う者にとって、これは避けて通ることが
できない課題である。
 報告では、私の大学環境教育実践の試みを紹介する。実践では、教育にかか
わる一人ひとりが自分を棚上げにしないで、自分のこととして根本課題を受け
止め、<この私>はどこから来たのか、<この私>は何者か、<この私>はど
こへ行くのかを、自分を振り返り、よく吟味し考えてみることを基本方針とし
ている。このもとに、持続不可能な社会を象徴する水俣病を取り上げて、「一
人の人間」として、いろいろな立場から水俣病に深く長くかかわった人(た
ち)に着目し、その人(たち)に関する文字資料を読み、映像資料がある場合
には視聴して、その過程で<この私>は何をどのように感じたり、思ったり、
考えたりしたか、自分の心の消息を綴り、クラスメートと共有し議論するワー
クを行っている。
 緒方正人さんは、このシリーズ「水俣病から考える」ワークの中で扱う「一
人の人間」である。
 報告では、大学環境教育実践の概要を紹介した後、緒方さんの「魂のゆく
え」(栗原彬編『証言 水俣病』岩波書店、2000年)をテキストにして彼の来
歴をたどる。その際、来歴の中に見て取ることができる「転生」と呼びうるよ
うな生の質的転換、特に「魂」の境地への到達と、それを引き起こした出来事
や事情に注目する。その上で、2000年代半ばに研究上の「自己分裂」を引き起
こしていた私に与えたインパクトを含め、水俣病を手掛かりにして現代環境教
育の根本課題に取り組むことにおいて、緒方さんを考材とすることによって何
がもたらされるか、現代環境教育の根本課題、人間として生きる、水俣病のと
らえ方、環境教育のパラダイムなどとのかかわりでお話ししたいと思う。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

◆このメールマガジンは、同時代史学会会員の相互連絡を目的として、会員の
 みに送信されるものです。なお、メールアドレスは同時代史学会会員名簿に
 記載されたものを利用しています。ご了承下さい。

◆バックナンバーは http://www.doujidaishi.org/doujidaishi-mailnews/
 に転載されます。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
1
10月

第156号【同時代史学会2023年度大会(第一報)】

===================================

          同時代史学会電子メールニュース

                    第156号(2023年10月1日)

【同時代史学会2023年度大会(第一報)】
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
同時代史学会2023年度大会(第一報)

 同時代史学会2023年度大会を、下記のスケジュール・テーマで開催します。
 詳報は改めてお知らせします。

12月9日(土)
会場:東京経済大学

10:00~12:00 自由論題報告(対面のみ)
12:40~13:10 総会 (オンラインによる中継を予定)
13:30~17:40 全体会(オンラインによる中継を予定)
「安定化させる力学とかき消されていく声―1973年以降の水俣から考える―」
    井上ゆかり( 熊本学園大学水俣学研究センター 研究員 )
    原子栄一郎( 東京学芸大学環境教育研究センター 教員 )
    遠藤邦夫 ( 水俣病センター相思社 元職員 )
18:00~   懇親会
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

◆このメールマガジンは、同時代史学会会員の相互連絡を目的として、会員の
 みに送信されるものです。なお、メールアドレスは同時代史学会会員名簿に
 記載されたものを利用しています。ご了承下さい。

◆バックナンバーは http://www.doujidaishi.org/doujidaishi-mailnews/
 に転載されます。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
10
7月

第154号【同時代史学会2023年度大会 自由論題報告者の募集】

===================================

          同時代史学会電子メールニュース

                    第154号(2023年7月10日)

【同時代史学会2023年度大会 自由論題報告者の募集】
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
同時代史学会2023年度大会 自由論題報告者の募集

 今年度の同時代史学会年次大会は、本年12月9日(土)、東京経済大学(東
京都国分寺市)にて開催の予定です。つきましては、当日午前中に実施される
自由論題報告の報告者を募集します。日頃の研鑽を発表し合い、議論を交わせ
る貴重な機会です。会員の皆様には、ぜひ奮ってご応募くださいますよう、お
願い申し上げます。
 なお、機材や運営上の観点から、本年度の自由論題については原則、対面開
催となります。この点、ご承知おきください。

1.日時:2023年12月9日(土) 午前10時開始(最大13時20分終了予定)
  *御一人の持ち時間は報告40分+討論20分=計1時間を想定してください。
2.場所:東京経済大学 国分寺キャンパス 2号館
  *アクセス:https://www.tku.ac.jp/access/kokubunji/index.html
  *キャンパスマップ:https://www.tku.ac.jp/campus/institution/kokubunji/
3.開催形態:対面開催
4.論題:第二次世界大戦以後を主な対象とする歴史的研究全般
5.エントリー資格:同時代史学会会員であること
  *非会員で応募される方は、エントリーと同時に入会手続きをお済ませく
   ださい。
   参照・本会HP「入会のご案内」: http://www.doujidaishi.org/about/admission.html
6.エントリー方法:以下の項目を、電子メールか郵送で、下記9までお知ら
  せください。
  (1) 報告者氏名、及び現在の所属
  (2) 報告タイトル
  (3) 報告要旨(400字以内)
7.採否:理事会で審査の上、9月末日までに応募者本人に直接採否を通知し
  ます。
8.締切:2023年8月31日(木)必着
9.応募及び問い合わせ先:戸邉秀明(自由論題担当理事・東京経済大学教
  員)
  E-mail:tobe ★ tku.ac.jp
  〒185-8502 東京都国分寺市南町1-7-34 東京経済大学 戸邉秀明 宛
*郵送の場合、封筒に「同時代史学会自由論題応募」と書き添えてください。
                                 以上
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

◆このメールマガジンは、同時代史学会会員の相互連絡を目的として、会員の
 みに送信されるものです。なお、メールアドレスは同時代史学会会員名簿に
 記載されたものを利用しています。ご了承下さい。

◆バックナンバーは http://www.doujidaishi.org/doujidaishi-mailnews/
 に転載されます。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
30
11月

第144号【同時代史学会会員総会資料】

===================================

          同時代史学会電子メールニュース

                    第144号(2022年11月30日)

【同時代史学会会員総会資料】
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
同時代史学会会員総会資料

 12月3日の同時代史学会大会・会員総会まであとわずかとなりました。
 さて、先立って、会員総会の資料をお送りします。
 今年は、倫理憲章、及び諸規定の整備に関わる議案があります【資料1】。
 添付しました資料のうち、【資料1】に、あらかじめお目通しいただけると
幸いです。この資料は、19ページに及ぶもので、総会の場で全てを熟読するの
は困難と思われます。

 大変にお手数をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

◆このメールマガジンは、同時代史学会会員の相互連絡を目的として、会員の
 みに送信されるものです。なお、メールアドレスは同時代史学会会員名簿に
 記載されたものを利用しています。ご了承下さい。

◆バックナンバーは http://www.doujidaishi.org/doujidaishi-mailnews/
 に転載されます。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

※添付資料省略

17
11月

第142号【同時代史学会2022年度大会 オンライン参加登録(11月30日締切)】

===================================

          同時代史学会電子メールニュース

                    第142号(2022年11月17日)

【同時代史学会2022年度大会 オンライン参加登録(11月30日締切)】
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
同時代史学会2022年度大会 オンライン参加登録(11月30日締切)

今年度の同時代史学会大会を、12月3日(土)に開催します。午後の全体会、
および総会のみ、ハイブリッド開催とします。
なお、自由論題報告については、オンライン配信は行いませんのでご了承下さ
い。
オンラインから参加される方は、11月30日(水)までに、下記のフォームから
登録して下さい。
※会場においでになる方は、登録は不要です。

 ZOOMのIDは、大会・総会の当日までに、【同時代史学会2022年大会実行委員
会 <2022congress★doujidaishi.org>】よりお送りします。

全体会    13:30~17:30
総会     17:40~18:30

※大会への参加は、同時代史学会会員、および会員の紹介がある方に限定しま
す。
※総会への参加は、同時代史学会会員に限定します。


【大会参加登録フォーム】
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfCsAsYaSBnpz8B1wrwk5TX4z98GGjtzLN1wc3bRZaUaoNrg/viewform?usp=sf_link
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

◆このメールマガジンは、同時代史学会会員の相互連絡を目的として、会員の
 みに送信されるものです。なお、メールアドレスは同時代史学会会員名簿に
 記載されたものを利用しています。ご了承下さい。

◆バックナンバーは http://www.doujidaishi.org/doujidaishi-mailnews/
 に転載されます。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

※文中の大会参加登録フォームのURLに誤りがあります。正しくは以下の通りです。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfCsAs_YaSBnpz8B1wrwk5TX4z98GGjtzLN1wc3bRZaUaoNrg/viewform?usp=sf_link

14
9月

第140号【同時代史学会・2022年度大会「70年代の国際関係の変動の歴史的意義を考える」】

===================================

          同時代史学会電子メールニュース

                    第140号(2022年9月14日)

【同時代史学会・2022年度大会「70年代の国際関係の変動の歴史的意義を考える」】
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
2022年度大会「70年代の国際関係の変動の歴史的意義を考える」

 今年度の同時代史学会大会を、12月3日(土)に開催します。
 今年度の大会は日本大学法学部10号館(東京都千代田区神田三崎町2-12-1)
及びオンライン(ZOOM)によるハイブリッド開催と致します。

 Zoomでのご参加については、10月初旬よりGoogleフォームにて参加申請を承
ります。さしあたり、今年度の日程についてどうぞご予定ください。

 今年度の大会のスケジュール、大会の趣旨文は以下の通りです。
 *午前中の「自由論題報告」はまだ募集中ですので、振るってご応募下さ
い。
 *報告者の報告論題、報告要旨はMLにて随時お知らせ致します。


タイムスケジュール
(自由論題報告 9:30ZOOMアクセス開始)
 10:00~12:00 自由論題報告

(総会 11:30ZOOMアクセス開始)
12:00~13:20 総会
 *本年度は規約改正及び研究倫理規程の制定等、議題が多くありますので、
よろしくご参加下さい。


(全体会 13:00ZOOMアクセス開始)
 13:30~17:30 全体会

全体会 「70年代の国際関係の変動の歴史的意義を考える」

                        趣旨文

 今年は沖縄返還、日中国交回復から50年という節目の年である。だがこれは
独り日本という国に生じた特殊なエピソードというわけではない。そこには、
1960年代半ばから米国が本格的に介入した冷戦の熱戦化の典型であるベトナム
戦争や、それに端を発した反戦運動の興隆の影響があったことは明らかであ
る。さらに、その背景には、いわゆる「1968」に象徴されるフェミニズムや労
働疎外などに取り組む若者中心の広範な社会運動と、それを受けた各国の政治
的動揺があった。
 同時に、国際関係そのものにも地殻変動が起き始めていた。西側諸国との経
済・軍拡競争に疲弊したソ連・東欧圏の西側への接近と、それに端を発した中
華人民共和国の立場の変化、「第三世界」勢力の登場と異議申し立てのインパ
クト等。新たな状況によって、第二次世界大戦の勝者たちが形成した戦後秩序
にそもそも伴っていた妥協的側面の限界が露呈したことも、1970年代の変動
の、より大きな背景を形成していた。1972年の2つの出来事は、その日本的な
現れに他ならなかった。
 1970年代を1つの大きな時代の転換点とみる試みは、当然のことながらこれ
までにも多数試みられている。同時代史学会でも、すでに2010年度大会「転形
期―1968年以後」において、1960年代から80年代を1つの長い転換期と見立
て、諸運動の転換とその意味を検討した。2017年度大会では歴史民俗博物館の
企画展示と合わせ、「「1968年」を測り直す―運動と社会の連関、その歴史的
射程」と題して、地球規模の共時性を持つ1968~69年の若者たちの運動の歴史
的意義をあらためて掘り下げた。また2014年度の「『復帰』後の沖縄を歴史化
する」では、沖縄に焦点を絞る形で、1972年以後の変動が持つ意味を再検討し
た。
 このような検討が進めば進むほど、1970年代の転換は、その後にどう活かさ
れたのかという問いが浮上してくる。冷戦終焉直後の1990年代初頭には、それ
までの運動の蓄積が戦争責任・植民地支配責任の問題などで多大な成果をもた
らしたにも関わらず、その後、歴史修正主義と新自由主義に席巻されてしまっ
たのはなぜか。この点についても、当会では2018年度大会で「転換期としての
1990年代」と題して1990年代の歴史化を始め、2019年度大会「〈戦争の記憶〉
をめぐる同時代史―歴史表現はどう向きあってきたか」では、90年代の遺産の
前提にある、1970~80年代のさまざまな試みについて、表現方法の観点から検
討を加えた。
 今年度はこれらの成果をふまえつつ、次のような視点で、議論をさらに展開
していきたい。先に述べた、60年代後半に始まる国際的な文脈を、日本はどの
ように受けとめたのか。この点を、従来のように日米・日中といった大国間関
係のなかだけで捉えるのではなく、新たな「国際関係」の視点を探ることで、
重層的に理解する道を拓きたい。1970年代の日本において、その焦点のひとつ
はアジアといかに向き合ったかに絞られるが、それを今日、どの側面で捉え究
明するのかが、同時代史の研究では試されるだろう。
 そこで本年度の大会では、以下の構成によって、1970年代の国際関係の変動
が持つ歴史的意義を再考する。
 まず東アジア国際関係史を専門とする成田千尋氏に報告をお願いする。成田
氏は、1972年の沖縄返還を、日米関係だけでなく、大韓民国や中華民国の側か
らも捉え直し、そこに関わる複数のアクターからポストコロニアルの課題を浮
かびあがらせた。その成果をふまえ、1970年代の日本が、東アジアにおいて何
を問われていたのかを浮き彫りにしていただく。
 次に、社会学を専門とする木下直子氏に報告をお願いする。「慰安婦」問題
は1990年代になぜあのような形で注目されたのか、そしてそこで語られないも
のはなんだったのか。その究明には、60年代以来のフェミニズム言説を中心と
して、日本社会の「慰安婦」をめぐる言説史と、語る主体の歴史的検討が必要
になる。この点を深めてこられた木下氏に、60~70年代のアジアとの直面がも
たらしたインパクトと困難性を考察していただく。
 この2報告に対して、アメリカの国際関係思想史を起点として、国際関係に
おける正義や記憶の問題を幅広く論じられている三牧聖子氏、沖縄における
「慰安所」と地域住民との関係を拠点として、東アジアの戦争や植民地の記憶
を捉え直されている洪玧伸(玧は王ヘンに「允」)氏のお二方にコメンテー
ターをお願いした。今回の主題に連なる多様な文脈を明らかにしていくこと
で、議論の豊富化を図りたい。
 以上の構成と当日の議論によって、1970年代像の更新や、1990年代半ば以降
の大転換に至る歴史像の構築の一助となれば幸いである。
参加者諸氏の活発なご議論を期待する。

 趣旨説明:13:30~13:40
<報告>
 成田千尋(立命館大学衣笠総合研究機構):13:40~14:30
 木下直子(特定非営利活動法人社会理論・動態研究所):14:40~15:30
<コメント>
 三牧聖子(同志社大学 大学院グローバル・スタディーズ研究科):15:40~16:00
 洪玧伸(玧は王ヘンに「允」)(一橋大学):16:00~16:20
 全体討論:16:30~17:30

 実り多い議論のため、会員の皆様の周知・宣伝のご協力をお願い致します。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

◆このメールマガジンは、同時代史学会会員の相互連絡を目的として、会員の
 みに送信されるものです。なお、メールアドレスは同時代史学会会員名簿に
 記載されたものを利用しています。ご了承下さい。

◆バックナンバーは http://www.doujidaishi.org/doujidaishi-mailnews/
 に転載されます。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
25
8月

第139号【同時代史学会2022年度大会 自由論題報告者の募集】

===================================

          同時代史学会電子メールニュース

                    第139号(2022年8月25日)

【同時代史学会2022年度大会 自由論題報告者の募集】
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
同時代史学会2022年度大会 自由論題報告者の募集

 今年度の同時代史学会年次大会は、本年12月3日(土)、日本大学法学部
(東京都千代田区)にて開催の予定です。つきましては、当日午前中に実施さ
れる自由論題報告の報告者を募集します。日頃の研鑽を発表し合い、議論を交
わせる貴重な機会です。会員の皆様には、ぜひ奮ってご応募くださいますよ
う、お願い申し上げます。
 なお、新型コロナウイルス感染症の流行が収束していないため、今年度大会
は、従来の対面による会場での参加に加え、オンライン配信を通じた参加を併
用する、いわゆるハイブリッドでの開催を予定しています。報告者・参加者と
も、対面・オンライン、いずれかをお選びいただけます。
 ただし、機材や運営上の観点から、報告応募者が多数となった場合、報告の
形態について、報告者に調整をお願いする場合がございます。この点、ご承知
おきください。
 ※ ハイブリッド開催の準備に伴い、募集の告知・締切が例年より繰り下げ
  となっております。あらためてご確認のうえ、よろしくご検討ください。

1.日時:2022年12月3日(土) 午前10時開始(最大13時20分終了予定)
  *御一人の持ち時間は報告40分+討論20分=計1時間を想定してくださ
   い。
2.場所:日本大学法学部神田三崎町キャンパス
  *キャンパスマップ: https://www.law.nihon-u.ac.jp/campusmap.html
3.開催形態:会場での対面とZoomオンライン配信を併用したハイブリッド形
  態
4.論題:1945年以降を主な対象とする歴史的研究全般
5.エントリー資格:同時代史学会会員であること
  *非会員で応募される方は、エントリーと同時に入会手続きをお済ませく
   ださい。
   参照・本会HP「入会のご案内」:
   http://www.doujidaishi.org/about/admission.html
6.エントリー方法:以下の項目を、電子メールか郵送で、下記9までお知ら
せください。
  (1) 報告者氏名、及び現在の所属
  (2) 報告タイトル
  (3) 報告要旨(400字以内)
  (4) 希望される報告の形態(会場での対面か、オンラインか)
7.採否:理事会で審査の上、9月末日までに応募者本人に直接採否を通知し
  ます。
8.締切:2022年9月20日(火)必着
9.応募及び問い合わせ先:戸邉秀明(理事・東京経済大学教員)
  E-mail:tobe ★ tku.ac.jp (★を@にかえて下さい)
  〒185-8502 東京都国分寺市南町1-7-34 東京経済大学 戸邉秀明 宛
  *郵送の場合、封筒に「同時代史学会自由論題応募」と書き添えてくださ
   い。
                                 以上

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

◆このメールマガジンは、同時代史学会会員の相互連絡を目的として、会員の
 みに送信されるものです。なお、メールアドレスは同時代史学会会員名簿に
 記載されたものを利用しています。ご了承下さい。

◆バックナンバーは http://www.doujidaishi.org/doujidaishi-mailnews/
 に転載されます。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
4
12月

第130号【同時代史学会 2021年度大会「医療の同時代史」 参加登録のご案内】

===================================

          同時代史学会電子メールニュース

                    第130号(2021年12月4日)

【同時代史学会 2021年度大会「医療の同時代史」 参加登録のご案内】
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
同時代史学会 2021年度大会「医療の同時代史」 参加登録のご案内

 既にご案内しましたとおり、今年度の同時代史学会大会を、12月11日(土)
にオンラインで開催します。
 参加登録がまだお済みでない方は、下記のアドレスから参加登録を行って下
さい。大会当日までに、メールにてZoomのIDをお送りします。
 登録の締切を12月4日(土)としていますが、12月7日(火)までは受け付け
ます。

 なお、参加は、同時代史学会会員、および会員の紹介がある方に限定しま
す。

【大会参加登録フォーム】
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdC_lQpHInQNuBvCo6xeD8nN_694D9OHa3v4Y2fADqjNhwpXQ/viewform?usp=sf_link

【大会情報ホームページ】
http://www.doujidaishi.org/annual_meetings/2021.html

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

◆このメールマガジンは、同時代史学会会員の相互連絡を目的として、会員の
 みに送信されるものです。なお、メールアドレスは同時代史学会会員名簿に
 記載されたものを利用しています。ご了承下さい。

◆バックナンバーは http://www.doujidaishi.org/doujidaishi-mailnews/
 に転載されます。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
7
11月

第129号【同時代史学会・2021年度大会「医療の同時代史」】

===================================

          同時代史学会電子メールニュース

                    第129号(2021年11月7日)

【同時代史学会・2021年度大会「医療の同時代史」】
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
2021年度大会「医療の同時代史」

 今年度の同時代史学会大会を、12月11日(土)に開催します。
 今年度の大会はオンライン(ZOOM)開催になります。

 参加を希望される方は、12月4日(土)までに、下記のアドレスから参加登
録を行って下さい。大会当日までに、メールにてZoomのIDをお送りします。
 なお、参加は、同時代史学会会員、および会員の紹介がある方に限定しま
す。
【大会参加登録フォーム】
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdC_lQpHInQNuBvCo6xeD8nN_694D9OHa3v4Y2fADqjNhwpXQ/viewform?usp=sf_link


タイムスケジュール
(10:00 ZOOMアクセス開始)
10:30~11:35 自由論題報告(報告者1名)

 牧野良成(大阪大学大学院文学研究科博士後期課程)
「日本労働組合総評議会大阪地方評議会における地区共闘組織の通時的検討」
*報告40分+質問受付5分+討論20分、時間は多少前後することがあります。

(12:10 総会ZOOMアクセス開始)
12:30~13:30 総会

(13:40 全体会ZOOMアクセス開始)
14:00~18:00 全体会 「医療の同時代史」

〈研究報告〉
佐藤沙織氏(尾道市立大学)「戦後日本における医療の福祉的機能」
高岡裕之氏(関西学院大学)「1960~70年代の「国民医療」と「医療の社会
化」」

〈コメント〉
廣川和花氏(専修大学)
中北浩爾氏(一橋大学)

全体会 「医療の同時代史」
趣旨文

 新型コロナウィルス感染症のパンデミックが始まって,2年が経とうとして
いる。
 つとに指摘されてきたことであるが,2011年の東日本大震災はそれ以前から
進行していた地域衰退と社会矛盾を可視化する作用をもたらした。それと同様
に,今回の新型コロナウィルス感染症の世界的大流行とそれへの対応のあり方
には,各国において歴史的に形成されてきた社会文化的構造と,近年蓄積され
てきた政治経済的矛盾とが反映している。グローバルな感染症によって,私た
ちは自身の拠って立つ社会の特質と矛盾とに向き合わざるを得なくなっている
のである。
 検討課題を日本に限定しよう。大都市圏への人口集中と,日常的に中長距離
の通勤・通学の移動を強いられる都市構造。流動的なヒト同士の接触を必然化
するサービス業の構成比が高い産業構造。内外のヒトの移動と交流を核心とす
る旅行サービスの需要喚起を,経済成長の一つの柱と位置付ける産業政策。少
子化・高齢化に伴う労働力不足に直面して,なし崩しで進行する外国人労働力
移入政策等々。近年の日本には,グローバルな感染症が国内を蹂躙する条件
が,十分すぎるほど出揃っていたと言える。にもかかわらず,そうした感染症
に対処するための手段である保健医療システムが十分に機能していないこと
が,このパンデミックで可視化された一つの,しかしとても重要な問題であっ
た。
 なぜ,世界有数の病床数を抱える日本で,コロナ発症患者が入院できないと
いう事態が続発するのか。この間,報道などでも盛んに論じられたこの問題
に,今のところ納得し得る有効な説明は与えられていない。喫緊の課題に対し
て,「まずはどうすれば良いのか」,対症療法を迫られるからである。
 では歴史研究者がこの問題に向き合うためには,どのようなアプローチが可
能か。それは,「なぜこのような構造が形成されてきたのか」を,歴史的な視
点から問うことであろう。歴史研究者は,今回のパンデミックに対して,直接
的な貢献はできないだろう。しかし,「なぜこのような構造が形成されてきた
のか」を,いま問うておくことは,中長期的には今後も続発することが十分に
予想される次のグローバルなパンデミックに備えるために,歴史研究者がなし
得る重要な知的貢献である。
 とはいえ,すでにこの問いについても,盛んに議論が提出されているように
見える。その多くは,新自由主義改革がこうした事態をもたらしたのだ,とい
うものである。すなわち,病院よりも早く機能不全に陥った保健所は,保健所
法から地域保健法への転換を契機に各地で削減が進行し,それがコロナへの初
期対応を困難にしたのだ,あるいは,現在のコロナ病床の多くを提供している
公立病院は,この数十年間,縮小・再編され続けてきたばかりか,今回のパン
デミックの直前に厚労省は公立病院の大規模削減を含む再編政策を打ち出して
いた,などといった議論である。こうした論点は,もちろん厳しく追及し続け
なければならない。
 しかし,今日の困難な事態の要因をすべて新自由主義改革で説明できるだろ
うか。これが,今大会で私たちが議論したい最大の“問い”である。新自由主
義改革が感染症対応の最前線の現場を疲弊させる大きな要因になったことは確
かだろう。だが,問題の要因はより重層的であり,それ以前から構造的に形成
されていたのではないか。少なくとも戦後日本における医療体制の形成過程
と,1970年代における何らかの変容を踏まえなければ,その後の新自由主義改
革も,今日の困難な事態も,的確に理解できないのではないか。
 今大会は以上のような問題関心のもと,以下のように,お二方の研究報告
と,お二方のコメントによって構成し,議論を深めたい。
 まず佐藤沙織氏の報告では,戦後日本における民間病院の経営構造や医療と
福祉の関係という観点から,上記の問いに迫っていただく。佐藤報告によっ
て,コロナ即応病床があっという間に払底してしまう現状について,その構造
的要因が新自由主義改革以前にすでに形成されていたことを私たちは知るだろ
う。次いで高岡裕之氏の報告では,戦後の医療史でも政治史でも十分に検討さ
れることのなかった1960~70年代の医療構想を検討していただく。その作業を
通じて,私たちは今日の日本における医療システムのオルタナティヴを歴史の
なかに発見することになるだろう。
 両報告について,廣川和花氏には医療史ないし広く歴史学への位置づけとい
う視点から,中北浩爾氏には政治史の立場から,それぞれコメントを頂戴す
る。
 当日は,会員諸氏による多数のご参加と活発な討論をお願いしたい。


同時代史学会2020年度大会 自由論題報告

「日本労働組合総評議会大阪地方評議会における地区共闘組織の通時的検討」
牧野良成(大阪大学大学院文学研究科博士後期課程)

報告要旨
 1950年から89年まで左派系労働運動を牽引した日本労働組合総評議会(総
評)は、中小企業労働者の組織化や政治運動の大衆動員など地域闘争の拠点と
なるべき存在として、都道府県内の地区単位でつくる連絡協議体(以下「地区
共闘組織」)を位置づけてきた。これら地区共闘組織は通例「地区労」と総称
されるものの、その呼称や性格は全国的に一様ではない。地区共闘組織には、
各地の状況下で自生的に発足した例が多く、総評結成後に系列化が図られた側
面があるためである。本報告では、総評大阪地方評議会(1951~89年)が府下
の総評傘下組織のみで構成した地区共闘組織「地区協議会」「地区評議会」の
編成と活動の実態を、通時的に検討する。検討にあたっては、総評中央の方針
の変遷はもちろん、右派系勢力との対抗関係をはじめ戦前来の大阪に独特な諸
点にも留意するとともに、地区共闘組織の存在や施策が後年の運動に何をもた
らしたかを考察する。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

◆このメールマガジンは、同時代史学会会員の相互連絡を目的として、会員の
 みに送信されるものです。なお、メールアドレスは同時代史学会会員名簿に
 記載されたものを利用しています。ご了承下さい。

◆バックナンバーは http://www.doujidaishi.org/doujidaishi-mailnews/
 に転載されます。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐